人懐っこすぎて誰にでもついて行く子供

2016年6月1日水曜日 人懐っこい、ついて行く

自分の子供が誰にでもついて行ってしまう、人懐っこすぎる。

この件は、親としては悩むところです。人見知りをして困るケースはよく聞きますが、逆も困ったもので、ちょっと知っている人がいるとそちらへ行ってしまう子も…
子供を狙った事件の悲劇が繰り返される昨今、親としては人見知りしない誰からも愛される子供に育つことは大変喜ばしい反面、信じられる大人ばかりではない世の中に強く心配してしまうのは当然のことでしょう。

とあるママからこんな話を持ちかけられました。

私:今日はK君も一緒なんですね。
M:実はこの子のことでちょっと…どうしたらいいかと思って…
(K君は3歳半の男の子です)
私:K君どうされたんですか? 特に変わったことはないようですけど…
M:実はこの子が誰にでもついて行くので困っているんです。先日、店で大騒ぎになったんです。その日は忙しくて夫は出張だし、私もお客様の対応で子供のことをなかなか見てやれず、遊びに来た姪に任せていたんですけど、姪が少し目を離したら知らないうちにどこかにいなくなってしまったんです。靴を履いて出たようなので、一人で公園にでも行ったのかとか心配して、近所を探しまわっていたら、お隣のご夫婦に連れられて帰ってきたんです。
私:まぁ、見つかってよかったじゃないですか。
M:それがこんなことが何回もあるんで困っているのです。

以下、母親Mさんの話
この子は家が商売をしているからか人なつっこいのはいいのですが、お店のお客さんやご近所の方に平気でついて行ってしまいます。あるご近所の方から「K君が玄関先で遊んでいたから、私が手振ったら寄ってきて『車に乗る?』って聞いたら、喜んで乗ってきたのよ。だからそのまま近くを回って来たの」って話を聞き、もし近所の方じゃなかったらどうなるんだろうって心配なんです。

店のパートさんや姪なんかには、よく散歩に連れて行ってもらったり、公園で一緒に遊んでもらったりしていましたけど、いつ頃からかはよく覚えていませんが誰にでもついて行ってしまい、迷子になったのではないかと心配して近所を探したりすることが度々起こっています。

子供には「誰にでもついて行ってはだめ」と教えるのですけど、お隣の方は私が忙しいのを知っているから、子供を預かってもらったり、一緒に子供さんと遊んでもらったりしているせいか、全然警戒心がなく、人について行くんです。

私:K君は、なぜ一緒に行ったらだめなのかわかっているのですか?
M:う〜ん…
私:もしかしたら、わかってないんじゃないですかね?
M:どうしたらいいのですか? 言っても聞かないのに分からせるなんて…
私:ご主人はこのことをどのように言われていますか?
M:私がもっと子供のことをしっかり見るように言われました。でも、私だってお店のことがあるし、家事もあるし、他にも…

このようなケースは希だとは思いますが、幼児や子供が事件に巻き込まれることの多くなった昨今、心配されている保護者の皆さんもいらっしゃることと思います。

この場合の解決方法を以下にまとめておきます。

「ダメ」とは言っても「なぜ?」を話していない
子育ての基本は「100回言ってダメでも、101回目にわかるかも知れない」です。躾も同じでしょうから、何度でも気長に言い続けることは必要です。ただ「なぜダメなのか」を子供がわかるように説明するのでなくては、教育・躾とは言えないでしょう。

ここで大切なのは「親がどういうスタンスで伝えるか」です。単なる親の都合や好みを伝えても、最初はいいでしょうが、いずれほころびが出てきます。「まわりの人たちのことを考えて」というスタンスで教えていくことが必要でしょう。

K君のケースの場合は「みんなが困るんだよ。心配するんだよ。K君はみんなが困って嬉しい?」ということを、ことあるごとに言ってあげることでしょう。もちろん他にもいろいろと言い方はあると思います。

それともう一つ、どんなに小さな子供でも、それがたとえ赤ちゃんだとしても、子供扱いしたり「まだ分からないから」などと思わず、小さいときからキチンと教えてあげるという、親の姿勢も大切なようです。

両親の意見(思い)がひとつでない
子供に躾をしていく上でもう一つ大切なことがあります。それは、両親の意見をひとつにしておくということです。

子供にとって、特に子供が小さいうちは、親は絶対的な存在です。その絶対的な存在のはずの2人の意見が違うということは、子供にとっては大変な苦痛です。父親からは右と言われたのに、母親には左と言われたら、子供はどうなるでしょうか。そのうちどちらの言うことも聞かなくなるか、あるいは自分の都合のいい方の意見に従う、そんな子供になっていくでしょう。

多くの場合は表現の強い方の意見に「しかたなしに従う」ようなことになっていると思います。理想は夫婦で話し合って意見をひとつに出来ればいいのですが、それが出来ない場合でも「お母さんはああ言うけど…」などということはやめた方がいいでしょう。

K君の場合も、自分だけではしっかりとK君を見られない事情を話し、ではどうしたらいいのかということを夫婦で話し合い、保育園にあずけるなど何か手を打つことが大切でしょう。そうでないといつまでたっても平行線ですし、何か事故があってからでは遅いのですから…

誰にでもついて行くことがなぜダメなのか? を、父親と母親がぶれずに根気よく教え続けることが大切なのです。
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書いてる人

ワーキングマザーベテラン組。現在は、自身の子育て奮闘記を振り返りながら、育児ストレス爆発中の現役ワーキングマザーたちとふれあう機会の多い人でもある。
――ストレス爆発!?子育てとはイライラするから子育てと言うのだと思う……。後輩ワーキングマザーたちと交わした、たくさんの〝育児ネタ〟〝子育てネタ〟をブログでシェアします。

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